Precious ―ターン―
〜2話より〜
待合室には、まだ数人の患者が残っていた。
リハビリのための通院でそれぞれ顔馴染みでもあるらしい彼らの
談笑が、診察室から出てくる人影に気づいて、ぴたりと止まる。
片足にギプスをした学生服の少年と、その少年を大事な宝物のように
抱きかかえている端整な顔立ちの長身の青年。
人前ではさすがに照れ臭いのだろう、その少年は俯きがちに顔を隠して
いたけれど、自分をかかえる相手を信頼しきっているように、その腕の
中、おとなしく身体を預けている。
一方の青年も、溢れんばかりの慈愛のまなざしでそんな少年を見つめて
いる。
まるで聖童と彼を守護する天使のよう―――宗教画から抜け出してきた
ようなふたりだと、その場の誰もが息を呑んだ。
すみません。
メイド編より高耶さん急にオトナ顔に…。
願望かしら?(笑)
いえいえ、まだまだ待ちますとも!