only dreaming  - 5 -


「高耶さん……」
キスの合い間に彼の名を呼ぶ。
「高耶さん……高耶さん…」
少しずつ服を寛げ肌に顔を寄せながら、ただ一心に呼びかける。
まだ『愛』と言うには気の引ける、心の裡の密かな想いを表せるたったひとつの言葉として。

頑なだった瞳の色が和らいでいく。
キスを受け入れ、舌先を絡めあい、時折、口の端を外しては喘ぐように息を継ぐ。
ほろほろ、蕩けていく。
上気した肌や、尖る乳首や、なにより形を変える若々しいオスが、彼自身の興奮を伝えてくる。

頃合いを見計らって彼の後庭に手を伸ばした。と、 その仕種だけで、彼の身体が強張るのがわかった。
大人しく一度手を引きながら、かねて用意のボトルを彼に示した。
「あなたのソコをほぐす潤滑剤です。滑りを良くする他に軽い媚薬の成分が入っている。 だから少し感じやすくなって余計な力みをなくしてくれる。麻酔みたいにまったく痛みを感じないわけではないでしょうが、 受け入れやすくはなると思いますよ。……使ってもいい?」
彼が眼差しだけで頷き、おずおずと脚を開く。 その腰の下にすばやく枕を宛がった。
「私も使うのは初めてなのでね。加減が解らない。 だから、感じたことを我慢しないで素直に教えて。できるだけ、辛くないようにしますから」
そうして彼の全てを見下ろす位置に陣取って、おもむろにボトルの中身を掌に受けた。

人肌に温めたそれを彼の秘められた部分に塗りこめる。勃ち上がりかけたオスからまろやかな臀のあわい、 くすんだ色味の後孔のあたりを丹念に。指先をそよがせる。何度も、何度も。焦らずに時間を掛けて。
「……んっ!……」
小さな吐息が聞こえた。
同時に、育ちきった彼のオスがひくんと揺れる。 媚薬の成分は確かに彼の身体と心とを解いているのだ。
とろりとしたローションをさらに一垂らし、たっぷり指にまとわせて窄まりにめり込ませた。
最初は爪半分ほど。すぐに退いては、またゆったりとした抜き挿しを繰り返す。
爪半分から爪全体、第一関節、やがては第二のあたりまで。
少しずつ沈める部分は深くなり、 その頃には固い窄まりもようやく緩んでぐるりと指を回せるようになっている。
余裕の出来た内襞にさらにローションをたらし込む。その滑りに助けられ、ついに指一本を根本まで彼の内部に含ませた。
「解る?高耶さん。……今あなたの中に俺の指が入っている。辛くはない?」
「……な…い…」
いたいけな子どもみたいに舌足らずな口調で、彼は首を振った。
「気持ちいい?」
「……ん…いい…」
こっくりと緩慢に頷くその仕種は子どもじみているくせに壮絶な色香を放っていて、思わず直江はごくりと喉を鳴らす。
虚ろな瞳をして、痴呆めいた表情で、赤い舌を閃かせながら高耶はもう一度繰り返した。
「きもち…いぃ……もっと…」
すでに正気をなくした彼の、なんて衒いのない、あからさまな誘惑。
「そう、じゃあ、お望み通りにもっと気持ちいいことしましょうね」
先から蜜を溢れさせ物欲しげに震えている彼のオスを口に含み、同時に埋めた指を妖しく蠢かして弱みを探る。
すぐさま甲高い嬌声が立て続けにあがった。
紛れもなく喜悦に震える声だった。




舌足らず高耶さん、たまんないわぁ〜〜〜v
もう頭が沸騰しちゃう。

                             2019/08/15

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