L'ESTRO ARMONICI ―終わりなき夜の押印―

「ひとつ、ふたつ、みっつ……」
謡うように男が数える。
「よっつ、いつつ……おや、少し先が詰ったようだ。でも、まだまだ余裕でしょう?」
閉ざしきらずに僅かに珠の覗く窄まりに無遠慮な指が押し入っていく。
ひっと喉を引き攣らせて、高耶の背が強張った。
その緊張を解すように掌が背中を撫で、腰骨を掠めて下腹部へと回される。
「ふふ、今、ちょうどイイトコロに届いたんですね。押し込まれて感じちゃった?」
ぐんと嵩の増したものを片手に包み込みながら、残る手は次の翡翠を弄っている。
「……ほら、六つ目が入りますよ。息を吐いてラクにしてて」
優しい口調とは裏腹に、下腹に重い衝撃が走った。 内部の異物が立て続けに前立腺を擦り上げては奥へと詰め込まれていく。
「ななつ……やっつ……」
なおも数を唱える男に、高耶が、小さく訴えた。
「もう、ムリ。許して……」


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