L'ESTRO ARMONICI ―焔―

まなうらに火花が踊る。
暗闇のなか、幾筋もの朱金の陽炎が揺らめく。
余人には窺えぬその幻影と同じリズムを刻んで、寝台の上、磔られた高耶の腰が妖しげに蠢いている。

纏っていた衣は崩れてわずかに腕に絡むばかり、隠されていたはずの下肢はとうに剥き出しになって夜気に曝されていた。
勃ちあがり蜜を孕んで反り返る雄。
忙しなく擦りあわせまた大きく開かれる膝頭。 引き攣る内腿。意思あるごとくに縮む足指。
時折、背筋が跳ねてしなっては また落とされ、もどかしげに擦りつけられる臀がシーツに不揃いな楕円を描く。
どんなにもがいても、吐き出せずに篭る欲望。
もどかしさに、食いしばった口から嗚咽が零れ出る。
「……くふっ……んんっ…んっ」
自分のものではないようなあまったるい響きが、情感をさらに淫靡に煽り立てた。
涙が滲む。もう視界が定まらない。
朦朧として、それでも滾る熱に支配された身体は刺激を求めて物欲しげに悶え続ける。



ほんとにゴメン!次は、お道具…。(-_-;;;)
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