「―――っ!」
声にならない悲鳴を上げて身体が弓なりにしなった。
哀願めいた許しを彼は乞うたのかどうか。
音にならないまま、ぱくぱくと口唇だけが言葉を紡ぐ。
何を言ったのか、確かめることはできなかった。
絶頂後のきつい締め付けに、こちらも堪えきれずに迸らせ恍惚と天を仰いでその余韻に浸っていたから。
再び視線を戻したとき、組み敷いた身体はすでに力をなくしていた。
最後まで従順に身体を開いたままで、高耶は意識を飛ばしてしまったのだった。
繋がりを解いたとたんぐったりと横たわる彼の姿に、度が過ぎたかと後悔した。
幾度となく放った自分の精液が、ぼってりと腫上がった窄まりから溢れて肌を伝っていく。
その淫靡な光景から眼を離せないでいると、やがて、とろりとした白濁と一緒に、彼は、小さな珠を産み落とした。
ブロンズ色に鈍く輝く球体。
これが音の正体かと彼の足の間に転がるそれを呆然と眺める。
「天音 ―3,4―」より
益々…。(無言・・・)
次へ
裏庭TOPへ