L'ESTRO ARMONICI ―調和の幻想―

「ねえ高耶さん、さっきの口解けを覚えてる? このチョコはね、普通以上に溶けやすいんです。 あなたの中はとても熱いから、すぐに火酒のシロップまで味わえますよ」
揶揄するような言葉を囁かれるのと同時に、高耶の身体が硬直した。
身体の奥でかたまりが崩れるのがわかったのだ。 じわりと熱いものが爆ぜる感触に、反射的に下腹に力をこめ腰を上げる。
その姿勢がよりすべてを直江に曝すことになるのだとしても、 まるで排泄行為のように中から流れ出すのを見られるのはたまらなかった。

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