「いやあ……」
まじまじと向けられる視線に彼が堪えきれぬように両手で顔を覆う。そんな仕草さえ婀娜めいて見えて。
「いやじゃないでしょう?ちゃんと準備までしてきたくせに」
隠したがるその手を無理やり剥いで両側に縫いとめた。
こんなに純真そうな顔をして。
最初から彼はそのつもりでやってきたのだ。 体内に媚薬を仕込んで自らも昂めつつ媚香で男を煽って。そうして抱かれにきた。 それを生業にする、男娼として。
ならば。
その据え膳に乗るだけだ。
「愉しませてもらいますよ。高耶さん」

                                                  「天音 ―3―」より


すまん、直江…。ここだけ見ると酷い男に…。(^_^;)

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